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「パタゴニア」で働くということ <strong>PART 1</strong>
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 2013,04,01

「パタゴニア」で働くということ PART 1

環境に配慮しながら最高の製品をつくる。
伝説的なアウトドアブランドとして多くの人に知られる「パタゴニア」。
創業者による著書『社員をサーフィンに行かせよう』では会社の理念に沿って理想的なワークスタイルを実戦する社員たちの姿が描かれているが、そこに書かれていることは果たして本当なのか?
実際にはどんな人がパタゴニアで働いているのか? 一体、「働く」とは何なのか?
渋谷のパタゴニアで働くかがやんさんへのロングインタビュー。

―実際、サーフィンには行けてますか?

僕はサーフィンではなくてクライミング。鎌倉本社の日本支社ではサーフィンに行く人が多いのかもしれません。僕の場合、例えば休みの日が雨で岩に登れなくても、次の日に朝から晴れていた場合には出勤時間を他のスタッフに変わってもらって、朝一番で岩に登ってから仕事に来るとか。そういう意味で自由な職場を活かしてアウトドアスポーツを楽しんでいます。すごくクライミングが好きだから、時間があればクライミングをしていたいし、生活の軸の一つに据えている。そういう情熱を持って打ち込むものがある人にとってはパタゴニアの環境は最高ですね。

だけど、会社の制度としてサーフィンが許されているのではなくて、職場にサポートしてくれる仲間がいるから可能なんです。子供が風邪をひいたとか実家から親が出てきたとか、自分の私生活を大事にしたい場面で「行っておいでよ」とサポートしてくれる人がいるかどうか。仕事以外の生活も大切にしたいという人が集まっているからお互いに「行ってきなよ」と言えるんです。
1kagawa

―パタゴニアではどんな仕事をしているんですか?

渋谷店で販売の仕事をしています。パートタイム、フルタイムパートタイマー、フルタイムと雇用形態は分かれていますが、僕の場合は契約社員フルタイムパートタイマー。正社員と違うのは給与の計算が月単位が時間単位かというところだけ。それ以外はほぼ同じです。パタゴニアにはいろんな働き方をしている人がいます。例えば、アウトドアのガイドが本業で月に一日しか会社で仕事をしない人もいるし、主婦から学生までいろいろ。そんな一人ひとりの存在がスタッフにとってすごく刺激的なんです。大学から就職活動をして働きだしたっていう人だけだったら職場にここまでの多様性は生まれないと思います。

―ワークライフバランスは意識してますか?

今はパタゴニアの仕事とガイドの仕事をやってます。クライミングはライフワークとして。遊んだら人に伝えたくなって、お店に来てくれたお客さんや子供たちに話を伝える。僕にとってワークとライフは対立する言葉ではないんです。基本的に遊びたくて、自然の中で遊んだことが楽しくて、学ぶ事が多くてそれを人に伝える。それが仕事になっています。業務が変わるとまた違うのかもしれませんが、今の僕の仕事だと、仕事とプライベートが分かれているという感じはないですね。

社外の活動でパタゴニア製品を使っていても、そこで感じたことをフィードバックして、ダメなものはダメと言う。例えば、昔のパタゴニアの靴下で、すぐに薄くなってしまうものがありました。僕はこれをレジに持って来た人には「コレを買うのはやめておいたほうがいいですよ」と伝えます。理由を説明して「それでもよかったら買って下さい」と言います。逆にすごく良かった場合なんかは、うるさいぐらい「すごくよかったですよ」と伝える。

お客さまに伝える内容をお店から強制されないというところがいい。他社だとそうでないということもよく聞きます。接客トレーニングを受けさせられて「お似合いですよ」と、良くないものでも良いと言わなくてはいけない。それを聞いて「マジで?」と思ったけど、そんな会社を辞めて今パタゴニアで働いている友達もいます。

うちの会社はそもそもカウンターカルチャーの中から生まれたブランドだというのもあるのかな、いわゆる「取り繕われたこと」が嫌いで、普通の会社で働けなくてパタゴニアに来た、という人が多いのかも。そういう人が集まってできた会社なのかなあ。

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