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やっぱり気合いです <strong>PART 2</strong>
beyond worker 004
 2013,08,02

やっぱり気合いです PART 2

デザインから設計、生産、流通、販売まで、全てがチャレンジでした。製作の予算も広告宣伝費で作ったんですよ。変な製品を作って広告費をかけて無理やり売るのではなくて、最初から広告として製品を作って、それがメディア上で記事になっていくというロジックです。約6000万円の予算に対して、電通の試算で3億5000万円の広告効果が上ったと聞いています。販売についても、それまでのように販売会社に卸して量販店で売るのではなく、今まで家電が並ぶことのなかったライフスタイルショップやセレクトショップに直接販売しました。しかし、東芝の中で事業として継続できず、私と熊本氏と田部井氏でリアルフリートという新会社を設立し、新たな家電ブランド「amadana(アマダナ)」を作ったんです。
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家電のデザインをする中で、ライフスタイルショップで売り出すモデルと、量販店で売るモデルを一つの金型で作ることで、投資金額を回収できなくなるリスクを減らす「金型二毛作」という方法も考えました。アテハカでは実現しませんでしたが、リアルフリートになってからその金型二毛作を実践して、2003年に出した液晶テレビ「FACE」と2004年に発表した革張りのノートパソコン「dynabook」はプロパーの商品も僕たちがデザインしているんですよ。

本革を張って500台のシリアルを打ったんですが、東芝の工場の立場ではプラスチックと革の熱による収縮率が違うからクレームになる、できないと。そこで工場の技術の方に「できないできないっていうけど、やられた事はあるのでしょうか?」というところから説得して、50歳過ぎの熟練の方が最後は言葉に詰まっていましたが・・・ 「悪いけど、クレームにならない客に直接販売すればいいんだから」と。結果的にそのデザインを通した。実際に500台生産して、発売と同時に即完売。情報が出る時には商品はもうない、という状態にしたのでちょっとした都市伝説のようなものになりました。
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dynabookのプレゼンはMacでやったんですけどね(笑)。前代未聞だと言われましたが、逆に「これくらいのものを作りたいんでしょ?」と。礼儀があるだろうとも言われましたが、「そんなことは私も社会人だから分かっています。でも別にヨイショされてもうれしくないでしょう?」と。こんな話を30分くらい部長としていると「おもしろいなお前は」と気に入られて。それから反撃ですよ。「何でMacBookを持ってきたか分かりますか? これはシンメトリーの美しさです。dynabookはアシンメトリーの美しさなんです」と。実は基盤の関係で左右非対称にならざるを得ないのですが、その制約を活かしたデザインの帰結をすべきだということで、この色替えのデザインが生まれたんです。この配色はどこかで見たことあるかもしれませんが、同じコンセプトで今度は電卓を作りました。dynabookを買えなかったみなさまへということで。

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