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やっぱり気合いです <strong>PART 3</strong>
beyond worker 004
 2013,08,06

やっぱり気合いです PART 3

−−−新しいデザインなんだけど、どこか懐かしくて居心地がいいというか。

記憶の片隅に刷り込むみたいなことを意識的にやっていました。それは狭義の意味でのデザインですが、広い意味で言うと家具として家電をデザインしていくということです。ディテールを見るのではなくて、遠くからそのプロダクトが置かれてる状況と空間を見て「しっくりくる!」という感じです。良い意味で異彩を放ちながら空間の中で違和感のないようなものをデザインする。もちろん好き嫌いはあるので、最初から10人いたら1人が強烈にファンになるデザインであるべきで、その人が友達2人くらいにアピールして、結果的に3人くらいになればいいんじゃないかと考えています。残りの7人は、量販店で値段で買う人もいれば、深澤直人さんがデザインされた±0を買う人もいれば、バングアンドオルフセンを買う人がいて良いと思いますし、そうあるべきです。10人中10人に売ろうとするのはムリ。野球は詳しくないですが、天才のイチローだって4割打つの大変なんですよ・・・。

−−−先ほど「手癖」という言葉がでましたが、デザイナー個人の手癖や作家性と、より客観性が必要なソリューションとしてのデザインはどのように両立するものなのでしょうか?

もちろん良い意味での手癖ならいいんですよ。ロジックの無いただの思いつきや、過去の作品からの「コピペ 」のようなデザインはダメですよね。本当のデザイナーは日々進化するものでしょうし、ある意味「ブランド」と呼ばれるものはスタイルの反復と継続によって培われものです。ですが、一方でそのスタイルに安穏とすることもできません。

リアルフリートでも最初は全部インテンショナリーズの自社内でデザインしていて、門外不出のレシピみたいな感じでやっていたんですが、途中から見込みのあるインハウスのデザイナーが出てきたので、言語化して伝えることのできない「なんとなくアマダナ」という秘伝のタレのようなものを教え込みました。「これが『なんとなくアマダナ』だから」と。「まだよく分からないけど、ちょっとやってみます」と、3次元に起こしたデザイン案を持ってくるのですが、その「なんとなくアマダナ」のポイントが分からないので、最初のうちはボコボコにダメ出しされます。

しかし、それがだんだん分かるようになってくると自分なりの手癖が入ってくるんですが、それが入り過ぎる場合は「ちょっとダメだね」修正をしていきます。彼は家電のプロなので「家電」としての視点だけでデザインをしていたんです。僕はデザインをブランディングの視点や空間としても家具としても見ているので、ダメな理由を説明すると「なるほど、そんなこと考えていませんでした」と、さらにブラッシュアップさせていく。

このプロセスを聞いて、僕に対して「デザインをしていないじゃないか」という論点がズレた事をおっしゃる人もいますが、「なんとなくアマダナ」という秘伝のタレ、ブランドのアイデンティティを創ることが重要なわけで・・・、ゴールを決める事が僕の仕事ですね。
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